この記事は、競泳選手や水泳愛好者のためのものです。練習用水着を選ぶ際の重要な要素と、人気メーカー別の水着特徴を詳しく解説します。
「トレーニング水着のサイズ選びが難しい。メーカー別のサイズ感について知りたい」
ツイッター(@mihoroswim)で、ボックス水着の質問を何度かいただきました。
※ボックス水着とは…水泳業界内の通称。一般的に練習用水着で使わているメンズ水着で、履くと(床置き?)四角形の箱型形状のようになるあることからボックス水着と呼ばれる。
水泳は、陸上と比べて抵抗が多くて動きづらい水中という環境下で、動きの最適解を見つけていくスポーツです。しかも水着は体にフィットをするため、肌に接している水着生地の面積や生地によって動きを制限される、または逆にサポートされるといった影響を及ぼしやすいのです。
良い方向にサポートされるという意味では高速水着はわかりやすい事例です。競泳選手にとって試合用水着(レーシング水着)という非常にタイトな水着選びが難しいのはもちろんのこと、逆に伸縮性の良い練習用水着選びでも苦労されている方が多いと聞きます。
水泳選手の体格には個人差がありますし、生地の厚みや伸縮性の違いにも個性があり、カッティング(縫製の形)や色味(裏地の有無にかかわる)によって正直同じメーカーや同じシリーズでも違う事が多々あります。
この記事を調べるにあたって、練習用水着の人気メーカーについて事前に(中学生〜大学生・マスターズスイマー)の方にご協力いただいたアンケートで、人気のブランドを確認したところ下記のような回答がありました。(2021年5月)
![2021年5月にX(旧Twitter)で行ったアンケート結果:トレーニング水着はどのブランド?](https://swimstation.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/fc27ca93822e30853f08fc5fb3669718-1024x647.png)
arena好評の理由はタフスーツという生地の伸縮性がよく、圧倒的な知名度と信頼感が高いこと、そこに追随したミズノ好評の理由は、「生地が厚手で安心感あること」が加えられています。ミズノは選手やアニメといった各方面とのコラボが人気を後押しする一面もあります。
…と、前提は色々と長くなりましたが、練習用水着を比較していきましょう
練習用メンズボックス水着の選び方: サイズと着心地の比較
![arena,mizuno,speedo,など競泳水着ブランドのボックス水着を並べた画像](https://swimstation.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/IMG_1357-1024x768.jpg)
- 大きさ設計(縦幅と横幅)
- 着心地の指標(生地の厚み・横伸び・着せやすさ)
- 選び方のポイント(各メーカー比較)
サイズの違い: 縦幅と横幅の影響
縦幅が短い方が動かしやすい傾向があり、長い方がホールド感がある傾向があります。股下が浅い方が生地に動きを制限されずに動かしやすくなります。そのため、最近(2022年)ごろからレッグが高いタイプ(ハイレッグ・セミハイレッグ)といったビキニ形状に近いものも人気が復調しつつあります。
ボックス水着の横幅は、着心地を合わせるために生地の伸縮性において伸びやすいものの方が小さめに作られ、生地が固めの方が大きめに作られる傾向があります。
そのため、純粋に横幅だけではその着心地を判断するのが難しいのが本音です。縦幅と横幅については足回りの動かしやすさの指標と捉えると良いかもしれません。
着心地: 生地の特性とフィット感(生地の厚み・横伸び・着せやすさ)
着心地の指標としては上記にある厚み、横伸びの度合いがかなり左右されます。
厚手の生地は着用時に安心感があり、若干ホールドされるような感覚はあります。そのため、自由に足回りを動かして練習をしたいという人には薄手で着やすいものを選ぶのもおすすめです。
裾周りの大きさとフィット感も大事ですが、比較が難しかったため、今回は項目からは外させて頂きました。
そして、右の方に書いてある「着やすさ」という項目は、”着せやすさ”でデータを取りました。同じマネキンに、同じサイズの水着を着せることで客観的に「着せやすさ」と「着せにくさ」の指標に使います。人と違ってマネキンの表面は硬いですから着せやすさと着せにくさが客観的に評価できるようにしています。
この「着せやすいから良い」とか「着せにくいからダメな水着」というわけでは決してありません。
着せやすさ=ホールド感
とも言えるからです。
「今自分が愛用している水着の着やすさは、全体を見回した時にどのあたりのものだろう?」
その点を理解するだけで、次の水着選びに役立つはずです。
メーカー別の特徴と選び方」
さて、いかがでしょうか。
以上からの結果として、競泳選手に人気のarenaとmizunoのトレーニング水着は同じような着やすさ(着せやすさ)でちょうどバランスが真ん中ぐらいになるように作られていたのが印象的でした。
人気のミズノとarenaは抜群のバランス感覚で着やすさと安心感があり、speedoはそこに比べて安心感やホールド感が高く、asicsは動かしやすさを重視しています。
Jakedはやや細身、TYRは足のがっしりした人にも着やすい印象です。
詳細は下記の動画でお伝えしていますので、もしよかったらご覧ください。
みなさまのご意見や感想も、もしよろしければこのブログやYouTubeの動画にも残してみてくださいね。
![メンズボックストレーニング水着比較](https://swimstation.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/adf4d63fe7de0046405407ee8fe39933-1024x555.png)
比較動画(YouTube)
このガイドを参考に、あなたにぴったりの練習用水着を見つけてください。さらに詳しい情報は、以下のYouTube動画でご確認いただけます。
今回は比較ニッチな情報かもしれませんが、それでもニッチな情報として役に立ったとのお声を何件か頂き、嬉しいです。各メーカーから色とりどりのさまざまな練習用水着が発売される中で、水着選びの参考になれば幸いです。