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ミズノGX SONIC 6: 革新の高速水着、その最新技術と進化の軌跡

ミズノから高速水着の新作GX SONIC 6(以下GX-6等)が発表されました。

前作はGX SONIC NEO(新しい・復活の意味)と名づけられた名前の通り、久しぶりのGXシリーズのナンバリングの水着の新作が発売されます。

GX SONIC 6: 水泳界の新たなスタンダード

(水着は他者と差をつける機能を持つ水着として)高速水着という概念が出来たのが2008年で、多くの人がご存じのように高速水着は行き過ぎた性能として大幅な規制(事実上の禁止)がされました。当時は高速水着に対してターボエンジンのような存在として扱われましたが、その規制後は高速水着というターボエンジンとしての機能性も名前もなくなったようにも思われましたが、泳ぐ技術とともに進化してきた水着を、今でも高速水着と呼ばれる方向は強くあります。

(過去記事参照)平成を賑わせた水着・消えた高速水着の変遷

ミズノは高速水着が規制された際に、ただ単に高速水着の時に象徴的であった強い締め付け感や、その他の今ある機能から似たような代替えを作るのではなく、「フラットスイムという、水面に対して水平を維持するという一つの考え方の軸を守って開発を進めてきました。」

さて、どのような積み上げがしてきたのでしょうか。

GX SONICの初代の時は、高速水着が一気に禁止となった時代です。それまでの競泳水着は「泳ぎの邪魔をしない」という開発コンセプトが多く見られたのに対して、高速水着が一度世に出た事によって「水着は泳ぎを手助けできる」という概念へと変わりました。

ただ、水着自体に浮力があったり、パネルなどで体の体積を極限まで小さくできたり、浮力のあるゴム素材で体を覆うといった色々な仕様が軒並み制限され、実質的に禁止されました。禁止された生地(素材)でなければ実現できない事が数多くありました。全てが0スタートになったことで、高速水着は終わったと言われました。

GX SONIC シリーズの進化:1から5までの変遷

GX SOGX SONICの初代: 高速水着の黎明期

強いコンプレッション。限られた環境の中で高速水着をどれだけ再現するかに力を注がれた水着。

今までがゴム素材などで実現していたのを布帛生地でしたことによって、良い性能ながらも着圧が非常にきつい水着に

GX SONIC 2: フラットスイム技術の確立

フラットスイムの考え方に沿って忠実に沿って作られた水着

このGX-2の段階で、GX-5に続くまでのフラットスイムの原型が作られた印象もあります。非常にきつい水着ではあったが、フラットスイムが実現しやすいことで人気は着実に広げていた。

シンプルな作りでファンも多い。後のGX SONIC NEOとして復刻されるほどに優れた水着だったとも言えます。

GX SONIC 3: 新規制への適応と技術進化

FINA(現WORLD AQUATICS)のルールが変わりました。一番分かりやすい変更点としてインナーの面積が大きくなったことで、これにいち早く対応をして作られたのがGX-3です。

インナーにも伸縮性の違う生地を使う事によって、足の動きを手助けしたり、部分的なホールド感を高められるようになったのです。今でも高い評価を受けるGX-2のシンプルで優れた水着に、適切に機能が加えられた事で非常にバランスの良い水着として支持を集めました。

USAを中心に海外選手からの人気も絶大で、国内ではシリーズが5まで数えた今でもこの水着を探している人も多く、いずれ来るGX-6は、GX‐5ではなく、GX-3をベースにした方が良いという意見も散見されたほどです。

GX SONIC 4: 体動作解析の応用

ミズノが得意とする体の動きの解析技術があります。

これを水泳競技において繰り返すことで更に立体的なサポートラインが作られました。今までキックについてはアップキック方向のサポートが重要視されていたが、これを前方向にもサポートしながら両方向のサポートにも対応が出来るという立体的な技術が盛り込まれました。

MR(柔らかい)水着にも大きな変化が加えられました。ミズノのGX SONICシリーズのMR(柔らかい方)は、ST(硬い方に比べて)柔らかいと言いながらも、他社の硬い水着と同等位硬いという声が多かったのですが、ここでMRについては動きやすさ重視へと舵を取っています。

高速水着の過度な硬さから脱却したい人や、自身で泳ぎのフラットスイムを実現することで足回りの自由さがより大事になってくる人などが増加したのかもしれません。

(参照)MIZUNO GX SONIC 4 発表、どのような進化をしているのか?

GX SONIC 5: 生地と撥水技術の革新

生地の改善

水着が出来てから撥水加工を施すのと、水着の糸1本1本に撥水加工を施したものから生地を作ったのでは、後者の方が撥水加工が強く、長持ちもします。スペック上は撥水加工の変化などと表記されていたので、中々気づきにくい変化故に、多くの人からは、「GX SONIC5はあまり変わっていない」とも思われていたのですが、使われている生地は大きな技術変化がされていました。

(参照)Mizuno GX SONIC Ⅴの発売が発表

ミズノGX SONIC 6の開発への挑戦

ゼロベース開発

ここまで書いてきたように、GX SONICシリーズは常に前作をベースに改善をし続けることで、日本のみならず世界から支持を集める人気の水着へと評価を高めました。その間にも色々な選手は泳ぎの技術を進化させ、練習の方法を変えています。フラットスイムや体幹の保持を水着で補っていた事を、選手自身の力によって身につけつつあります。

その選手の技術進化に対応をするために、GX SONIC NEOのAGやALは従来のモデルの原点回帰を図った水着を改めて復刻したとも言えます。

このことからGX-5をベースに改良したり、GX-3をベースにし直すのではなく、全てをいったん取り払い、0ベースで「今のトップスイマーに求められている水着は何か?」という視点で開発が進められています。

GX SONIC NEOのAGやALは従来のモデルの原点回帰を図った水着です。

これまで追加してきた機能を全てまっさらにして選手の声をひたすらヒアリングして改良をし続けることで、今のスイマーにとって本当に必要な機能だけをシンプルに追加する。

GX SONIC5は多くの増改築を繰り返してしまったゆえに、進化の余地が見えなくなった。素材の改良や撥水性能などの表面的な機能の改善が多くなりがちだった。それ故に本当に必要な機能を一度取っ払って考えた方が良いという一面もあったと思います。

選手自身が持っている泳ぎ技術の変化と、メーカーが蓄積してきた生産技術の向上

何度も何度も選手と共に打ち続けるかのような開発によってたどり着いたのがこの3つのタイプといえます。

GX SONIC 6の革新:3つのモデルとその特徴

公式サイトなどでも丁寧に説明がありましたので、最後になりましたが、ようやくGX SONIC6の紹介です。ミズノは長らくSTとMRのシリーズでしたが、そこにNEOが加わった後、

GX SONIC6で、3つのラインに統合させました。

NV(硬い・速い)、CR(衡)、ET(衡・柔らかい)の3つのラインです。

mizuno GX sonic 6の違い解説

GX SONIC 6 共通した改良点

女性は肩のストラップが非常に伸縮が良く、伸びが良い。

伸びが良いために短い

男女でサポートすべきところが違うので、今までと違って男女の仕様も違う

GX SONIC 6 NV(硬い・速い): スピードとパフォーマンスの追求

NV(Noble velocity)シリーズはSTの継続と言える硬くて力強い速さを実現するシリーズ

gx sonic 6 nv シリーズ解説

後ろにクロステープを付けてアップキックを強くサポート

姿勢を整えるホールド感で、浮き感を出す

捻転(捩じり)によるパワーを最大化

一言で言ってしまえば「速くするための全乗せ豪華セット」です。

硬い水着にはなるので選手は選びますが、とても魅力ある逸品です。

GX SONIC 6 CR(衡): バランスと快適性の融合

gx sonic 6 cr シリーズ解説

CR(Compressive release)はGX-SONIC5でいうMRの守備範囲からSLあたりまでをカバーする水着です。

珍しい仕様として、足元の内ももに裏地を配置し、足元の脂肪のゆれを防ぐ効果を狙っています。

GX SONIC 6 ET(柔らかい): 着心地と動きやすさを重視

gx sonic 6 et シリーズ解説

ET(emotional technique)は、最も着易く作られたシリーズです。

着易く動きやすいとは言っても機能は高速水着として必要なものを兼ね備えており、お尻のラインにテープが入っていることによってフラットスイム(姿勢保持での浮き感)も実現させています。

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