アスリート・競泳選手

水泳・競泳選手用おすすめスイムパドル7選

パドルをつけて泳いでいますか?

パドル練習は効率的な水泳練習ができるため、上達のためには大事な選択肢ですが、公共のプール施設では安全性確保の目的から使用が制限されているプールも多くあります。確かに泳いでいる時にパドルが人と接触するリスクもありますから、安全性を確保したいという施設運営者の気持ちもよくわかります。このような前提はありますが、通っているプールでパドルを使えるのであれば、使わないのはちょっと勿体無いかもしれません。

スイミングパドルの使い方について、下記の方におすすめしたい記事です。

  1. パドルを使えるプールに通っている方
  2. 部活動(水泳部)の練習で効率的な練習をしたい人
  3. 自分に適した泳ぎを研究したい方
  4. 水泳の指導で使う道具を探している指導者

◆パドルとは?

今でも愛用されるパドルの大半は板状のパドルです。パドル着用時はいつもよりも手(水をかける面積)が大きくなるため、腕や肩にかかる負荷が増えます。10年前は四角い板状のパドルも数多く、抵抗の多い高負荷下で動きを模索することが主流でした。

 
上記は長年愛されるストロークメーカー

パドルは元々多様化していましたが、この数年SNSの普及も手伝って新しいパドルの使い方が理解され、受け入れられるようになってきました。今人気のパドルは腕への全体的な負荷かけるだけでなく、手や腕に部分的な負荷をかけることで、特定の泳ぎの癖を矯正したり、水流抵抗によって手首へ意識を高めたり、掻き方に良い意味での違和感を持たせることでストロークを改善する仕組みになっていたり。。。と、目的が多彩です。

水泳は手と足で効率的に水を掻き、姿勢も含めた泳ぐ抵抗を減らしながら前に進むかを競うスポーツです。結果を出すためには、自分自身の泳ぎ(動き)を自ら研究し、改善し、それを身体に教え込んでいきます。

ですが、今までの指導では水辺では動きの確認が難しいこと、多くの選手を同時に見るのが難しいこと、動画撮影が難しい環境だったことから指導改善も難しかったのです。水中動画は気軽に撮れるような機材は増えましたが、今までの指導では難しかった局部的な指導も、特定のパドルを使用することによって伝わるようになります。

良質の練習道具選びをするも一つの大事なコーチングと言えるのです。

  • 今回ご紹介するパドルは目的がそれぞれ違い、物によっては複数の機能があるため、単純な分類分けは難しいのですが、あえて分けるとするならば下記のようになります。
  1. 強い負荷をかける従来型パドル
  2. 部分的な負荷をかける部分負荷型パドル
  3. 手の意識を改善させる意識改善型パドル
  4. ハイエルボーの習得など学習型パドル

1.強い負荷をかける従来型パドル

先ほども例で出てきましたが、水泳の練習において長年親しまれてきたパドルが、この負荷型パドルです。

ストロークメーカー

水泳を本格的にしている人なら一度は見たことがある(利用したことがある)はずの板の丸型パドル。日本でも海外でも長年圧倒的な定番人気を誇ります。パドルの装着時は手を大きくすることによってより多くの抵抗が手にかかり、それによって肩や腕に強い負荷がかかり、腕のトレーニングになり、腕に高負荷がかかる状態での泳ぎの改善へを模索に繋げます。

長年支持され続けてきた実績がありますが、大きすぎるものは体の各部位に負担をかけすぎるため、上半身が出来上がった方におすすめしています。

ストレングスパドル(発売終了しました)

上記したストロークメーカーの進化版とも言えるパドル。ストロークメーカーよりも大きいですが手に沿った形状や、適度に配置された水抜けによって水を快適にかけるようにバランスよく作られています。

従来の丸型パドルから進化した魅力を3つあげるなら

  1. 指に沿った大きめの穴で、指やて全体に水を感じることができるためキャッチする水感を損なわない
  2. ゴムストラップが大きく手首全体の安定感があるため、手のひら全体に力が分散し、手への負荷が減り腕に意識がいきやすい
  3. 手のひらに収まるように大きな凸状になっており、手の平の凹んだ部分でもキャッチする感覚を得られる

これだけ工夫が凝らされているのに、とても手の届きやすい価格設定も嬉しい所です。コストパフォーマンスがずば抜けています。

手のひら全体を覆うタイプの板型パドルは以上の2つがまずはおすすめです。

パドルに大きさは様々ありますが、大きければ大きいほど良いわけではありません。強すぎる負荷は故障につながる可能性があり、無理なストロークを招いて間違った掻き方(クセ)を付けてしまい、却って良くない泳ぎを習得してしまう可能性があります。トップ選手は大きなパドルを使っている選手も多いため、逸る気持ちもあると思いますが、小さなパドルからステップアップを実感することに繋げてください。

さて、従来型パドル(板型)の魅力は大まかに伝わりましたでしょうか。次は部分的に負荷をかけることで泳ぎの改善へとつなげる部分負荷型のパドルです。

2.部分負荷型パドル

従来型のパドルは手のひらを面で掴むことに特化したのに対して、この部分型パドルは部分的な負荷をかけることで泳ぎへの改善も働きかけてくれます。

フィンガーパドル(指先の意識)

指先のみの面積を広げた部分型パドル・水のキャッチしている感覚が鋭敏になるため、指先の感覚をキャッチからフィニッシュまで意識することができます。体にかかる負担も小さい。

SWANS SA-400(手首の意識)

ゴーグルメーカーSWANSが発売するパドル・覆う面積が大きいため板型とも目的が少し近いながらも、この三角形の形状と手首のカットが違う目的をもたらせてくれます。

負荷型の側面を持ちながらも指先が出る形状、手首の動かしやすさなどから手の回転方向における角度の意識を高めながら泳ぐ練習に向きます。

クロールではI字のストロークではなくS字のストロークを意識した方が良いと言いますが、このようなストロークの意識にも使いやすいパドルです。

手の角度を意識させてくれるパドルは実は他には少なく、希少ながらも大事なパドルと言えます。

3.手の意識を改善させるフォームの意識改善型パドル

先ほどの2の部分負荷とも近い目的を持ちながらも、意識改善をより高める為に特化したパドルです。

アジリティフローティングパドル

親指だけをはめる珍しい形状のため簡単に外れてしまいやすいですが、むしろその外れやすいのを目的にしています。正しい位置や角度で手を掻かないとパドルがずれたり外れる設計になっているのです。進みやすい手の動きを学びたい方に向きます。

ISOパドル(アイソパドル)

上記のフローティングパドルとは固定する形が違うながらも、間違ったストロークをすると外れる設計。そのため、綺麗なストロークで手のひらで水を押す感覚が身に付きます。左右非対称の色にも意味があり、左右を入れ替えて使うことで負荷をかける部分が変わります。

左手にイエローを装着した時は胸筋、上腕二頭筋、三角筋に負荷がかかるため平泳やバタフライの負荷トレに向いており、左手にブラックを装着した時は三頭筋、僧帽筋に負荷がかかるようになっているため、背泳ぎやクロールの負荷トレに向いていると言われます。

4.ハイエルボーの習得など学習型パドル

上記の2や3とも近いながらも、かなり特殊な形状や素材で泳ぎの意識改善をさせてくれるパドルです。

テクニックパドル

少し特殊な形をしていますが、これはこのパドルは掴んで使うこともでき、他のパドルと違って掻き手の効果を消してくれる効果があります。これによって腕全体で水を掻いて進む感覚が身につくのです。水泳において重要な技術としてハイエルボー(肘が立っている状態)の習得は指導が難しいといいますが、それも自然と気づけるような設計がされています。上級者の泳ぎの改善はもちろん、指導者が指導に使う際にも評価が高いパドルです。

スイムブレース

もはやパドルと言っていいかわからない特殊な形状です。

指の間にはめるだけというシンプルな構造ながらも、トップスイマーから支持を受け、2020年ごろより急速に人気を高めているパドルです。指の間に挟み、指から外れないように泳ぐことで腕の筋活動に刺激を入れ、スイマーが理想とする掻き手(腕)を作って行きます。手がパドルのように硬くなると表現する人もいます。このパドルの着脱を繰り返すことで理想の掻き手を身につけさせていくことができます。自らの泳ぎの分析力も上がるという声もあり、指導でも愛用され始めています。とても小さな形状のため紛失には注意が必要ですが、水に浮くように作られているため見つけやすいとは言われます。

ピーナッツパドル

重い素材と水を切るような形状からもわかるように、手での水の掻き手を驚くほど消してしまいます。上半身は腕の力だけで進むしかなく、これを着用した時はほとんど前に進まないように作られています。着用時は腕の力で進むことを習得し、外した時に戻った手や腕の感覚で泳ぐことで、自分の普段の泳ぎを分析しながら泳ぐことが出来るようになります。

以上のように説明上4つに分けましたが、実際は目的は複雑に入り組んでいるため、綺麗にわけきれないのが事実です。

以上をまとめたものをインスタグラム(@mihoroswim)にも投稿していますので、もしよかったらご覧ください。

この説明は多くの選手の方からのお声を集約して作りましたが、「これはこう使った方がもっと効果的」「こんな効果もある」といったお気づきの点があれば、みなさまからの実体験のあるコメントをお寄せください。

2008年前後の高速水着騒動があって、高速水着時代に生まれた記録は2度と塗り替えられないとすら言われましたが、今でもその記録は塗り替えられています。水着も同じぐらい進化してきましたが、何よりも水泳選手の弛まぬ努力で、より理想的な練習と、より理想的な泳ぎを追求してきた結果に他なりません。

下記ではフィンの比較も記事にしましたので、こちらもよかったらご参考ください。

(参考記事)競泳の練習で選びたいスイムフィン比較・おすすめフィン5選をご紹介

みなさま自身の水泳の時間が効果的なものとなるよう、または水泳の指導をされる方がより理想的な指導につながることを応援しております。

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