今回は最近見直しされ始めているプールでの保温についてです。
プールは心地よいはずですが、色々な条件が重なると屋内のプールでも寒いと感じる事が多くなり、プールサイドで活躍するインストラクターをはじめとして、プールに日常的に通われていた方にとっても、ちょっと不便な日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。
ひとつずつ問題整理をして、解決出来る事を探していきましょう。
屋内プールを冷たい(寒い)と感じる理由
プールの水を冷たいと感じる理由:水温と外気温の対比
屋内プールの水温は一般的に一定に保たれていますが、外気温との対比で体感温度に差が生じるため、冷たく感じることがあります。特に季節の変わり目は、体が外気温の変化に敏感になるため、同じ水温でも寒く感じやすいです。
さらに、衛生管理のための頻繁な換気や、採暖室の制限使用などが、体温調節の難しさを加えています。
人は寒暖差によって寒さを感じやすくできていますから季節の変わり目などは特にその寒さを強く感じます。
前日の気温が20度で翌日の気温が10度になったのと、前日が0度で翌日の気温が10度になったので比べるとやはり前日温かかった時の方が、翌日は寒さを感じます。
長時間のプールサイドはそもそも寒い:プール環境の影響
そしてプールサイドも同様にその寒さに悩まされる方も多いと思います。
プールサイドは先ほどのように季節の変わり目の寒さをより感じやすい環境にあり、また頻繁な換気を必要とするためにどうしても寒さをダイレクトに感じます。
着替えてプールに入ってきたばかりの人はもちろんそのように感じるでしょうし、プールサイドでの長時間の滞在は、特に水着姿や裸足では寒さを強く感じます。体温が水中で下がった後、外気にさらされることでさらに体感温度が低下します。
これは、インストラクターといった長時間プールサイドにいる必要のあるかたにとって顕著につらい状態です。
かといってインストラクターの方々は濡れたりすることもあり、万が一の場合にプールに入る必要もありますから、十分な防寒をすることも難しく、裸足またはサンダルといった足元になるために底冷えをしやすい環境となっています。
それに加えてたまに水中に入って外に出る事を繰り返すことで、身体の体温も更に下がっていくというような循環が起こっています。
運動をしていればまだ良いですが、監視目的のために運動していない時間もありますので、とにかく寒いのです。
とても大変な環境の中でプールでの安全確保や衛生管理に取り組んで頂いているインストラクターの方々には感謝しきりです。
長く水泳を楽しんで頂くためにも、対策を考えていきましょう。
プールサイドでの寒さ対策:実践的なアプローチ
- 体温をあげる
- ラッシュガードを使う(水中のみ)
- 保温水着(保温専用品)を使う
- こまめに身体を拭く
どれも基本中の基本ですが、とても大事なことです。ひとつずつ見て行ってみましょう。
1.体温増加のための運動と飲料
余程の温水でない限り、そもそも身体が冷えた状態でプールに入るのは危険です。プールは運動することを目的にしているため、温かいとは言ってもそこまで高い気温ではありません。
そこで大事なことは、プールサイドでの運動、または複合型ジムであれば、筋トレやランニングなどの後にプールに行く事です。
激しい運動の後にプールに行くことでクーリングにもなり、代謝にも効率が良いと言われています。
プールサイドでしっかりと身体を動かし、体温をあげましょう。
その他にもシャワーを浴びて体温をあげたり
ココアなど温まる飲み物を飲んでもいいし、ショウガ系飲料や、カプサイシンを含んだ飲料のように代謝を高めるものだと運動効率も上がって一石二鳥になりそうです。
2.水中での保温:ラッシュガードと特殊水着の使用
「濡れたままでいると風邪をひくよ!」
と、子供の頃に言われた方も多いのではないでしょうか。
タイトルに水中のみと記載しましたが、ラッシュガードは水中では保温効果を発揮してくれますが、陸上に出るとむしろ体温を奪っていく事になります。
また、ラッシュガードは表面がツルっとしたものが多いことから、体感温度としても冷たく感じます。そのまま運動して帰る分には非常に良いと思いますが、プールの中から出たり入ったりする場合には少し注意が必要です。
ですが、水中では強い味方です。最近では内側が起毛している保温水着が出ていますので、こちらを使うのもいいかもしれません。
3.ウェットスーツ素材の水着:快適な水泳体験を実現
同じ保温水着という名前の為に混乱しやすい所ですが、ウエットスーツ素材で作られた水着は非常に暖かいです。
頭から足首と手首まである全身ウェットスーツを着用して冬の海に銛を携えて飛び込む番組を見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ウェットスーツは空気や水を通さず、熱を通し辛い断熱素材で作られている為に外の寒い気温を遮断し、体温を維持してくれる効果があります。
だからといってあの全身ウエットスーツ素材の水着を着用してプールに行くわけには流石に行きませんよね。
(ヒートテックなど保温効果の高い肌着が人気が高いですが、この肌着(インナー)も同じ考え方の作りをしたものが多いです。)
そこで開発されたのがプール用のウェットスーツ素材で作られた水着があります。プール用水着と同じような見た目で、高い保温力を誇るWatermoveという水着がありました。特にインストラクターの方々から人気の高い商品だったのですが、2020年をもって発売を終了しましたが、その制作に携わっていた方々が作ったのが下記のFORCUSアルファという水着です。サイズ感も非常に近しく作られています。
ウェットスーツ素材である事から、普通の水着と比べて若干着用が大変なのはご注意して頂いた方がいいかもしれませんね。
ウェットスーツ素材:FOCUS α(フォーカスアルファ)
ウェットスーツ素材:FOOTMARK 暖
4.こまめに身体を拭く
2とも重複する所ですが、濡れたらすぐに身体を拭く事が大事です。
清掃時間中で5分~10分ほど待っている間であっても気にしておきたい所です。その間に準備運動を徹底しておくのもいいかもしれません。
こまめに身体を拭くとなると、吸水力が高く何度も吸水性が復活しやすいセームタオルやマイクロファイバータオルが便利です。
バスタオルなどの起毛したタオルも非常に良いのですが、やはり何度も拭くとなると徐々に濡れていき、帰り際には意味がなくなっても寂しいですもんね。
保温水着の意外な効果とその活用方法
保温の為に使っている保温水着ですが、思わぬプラスの効果があります。
それは保温効果が保たれることによって、過剰に体温が奪われることが無く、その結果長時間水泳を楽しむことができます。
体温が保たれた状態での水中運動をすることによって体脂肪を効果的に燃焼することが出来るようになるのです。
さらに、このウエットスーツ素材は浮力もあるため、姿勢の安定しやすい水中で、更に姿勢安定させる事によって効果的な運動をすることが出来るのです。浮力があるため、少し泳ぐ際身体を安定して浮く機能が発揮し、泳ぎ易く手助けしてくれるのです(本来は泳ぐための水着ではありません)
最後に、簡単にまとめます。
- 体温をあげる→準備運動、シャワー、暖かい飲み物、陸上運動
- ラッシュガードを使う(水中のみ)
- 保温水着(ウェットスーツ素材)を使う
- こまめに身体を拭く水泳向けタオルを用意しましょう。
- 保温水着の思わぬ効果で運動効率が上がる
保温や防寒のための対策が他にもあればこちらの記事に追記していく予定です。皆様のジムでの対策などあればぜひ教えてください。