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前人未到の水中アート・アートテクノロジーが生む新たな世界

2018年2月25日、IAMAS2018という卒論展が大垣のIT集積ビルのソフトピアにて開催され、そこでは非常に多彩な研究発表がされていました。

ここでは先端技術を使った様々な研究と発表が行われており、ブロックチェーン、VRといった最新技術や、次世代の漫画の表現や、地域活性化のための新たなproductの提案がされていました。

そこでは昨年2017年の夏に開催されたPOOL JAM EXPOとIAMASの共同開発したアストロプールこの展示会でも改めて展示されていました。

POOL JAM EXPO当日の様子は、こちらをご覧ください。

IAMASとは?

このIAMASとは、情報科学芸術大学院大学の略称で、イアマスと言われて親しまれています。

大学名からは想像できそうで、想像できないこの大学ではどのような研究がされているかについてですが、

ここでは次世代の先端技術を積極的に研究し、これからの社会に還元していこうという目的を持っています。

プロジェクションマッピングもいち早く研究に取り組んでおり、今このプロジェクションマッピングの世界をリードする程の第一人者も、この大学の卒業生だったりします。

そのテーマは毎年違ってきており

3Dプリンタ、プロジェクションマッピングから、AI、ブロックチェーンなどなど

新たな技術に対して積極的に取り組んでいます。

そんなIAMASさんに「プールに革新を起こそう」という目的の元、協力をお願いしたのが、このプロジェクトの始まりでした。

アストロプールまでのいきさつ

このプロジェクトの最初は漠然とした「革新的な事をしたい」という一点でしたが、最初に出てきたアイデアは、プロジェクションマッピングの技術を活用するものでした。

普段スイマーは床面だけを見続けながら泳いでいます。

この床面に、世界トップクラスの選手が映し出されたら泳ぐことへのモチベーションが高まるのではないか?というアイデアでしたが、結局予算が全く足りず断念する事となりました。

その他にも様々なアイデアがありました。

アイデア内容理由
床面プロジェクションマッピング床面に映像を移せたら、もっとプールが楽しくなるのではないか。不採用
予算が不足
自分の身体が光るプール光の屈折率を活かし、自分が光る事でアート空間として周りが楽しめるのではないか不採用
プールに入る事を、楽しんでもらいたい
床面に誘導灯のあるプール全面に誘導灯を入れる事によって高い拡張性が出来るのではないか。不採用
もっと革新と言えるものが良いのではないか
周りが光るプールウミホタルの中で泳いだ時の感動をプールに持ち込めないか採用
基本軸案はこれで進行

これ以外にも沢山の案がありましたが、このウミホタル(生き物)が泳ぐ中に飛び込んで泳いでみたらすごく感動したという声を元に、このアイデアを元にアイデアを盛り込んでいく事になりました。

このアイデアを考えていく中で、光の中で泳ぐと、まるで宇宙遊泳のような空間が作れるのではないか?という思いから、アストロプールという名前に変えて開発が進んでいきました。

◆アストロプールの仕様と発表の様子

そもそもこのIAMASさんと一緒にプロジェクトをする上で大事なことは、水とニューテクノロジーという組み合わせへの挑戦は大事なキーワードでした。

陸上では様々なイノベーションが起きていますが、水中はその特殊な環境からイノベーションが起きづらい環境があります。

だからこそ、そこに面白さがありました。

その変えていくために何をしたのか。

その仕様の一覧を先にご紹介いたします。

・ジャイロ(3軸)センサーの導入をし、スイマーが作る波紋よって光を変える
・無線によるコントロールによって、シーンに合わせて光り方を変えていく
・合計120個もの光を同時に無線でスイッチ切り替えをしていく
・光に非常に弱い電子センサーに水の影響を及ぼさないように、耐久性をあげる
・LEDライトを導入しており、7色の表現を自在に出来る。

アート空間を作るために、これだけの技術を盛り込んだのです。

ただ、これだけではどんなものかわからないですよね。

ここで、映像をお届けします。

夜のプールの中を光に誘われながら泳いだら、きっと宇宙遊泳のように楽しめるに違いない

そんな思いから名付けられたアストロプール

結果を見てみると、その世界は宇宙遊泳よりも遥かに幻想的で、魅惑的でした。
(宇宙遊泳をしたことはありませんが。。。(笑))

光が水辺に乱反射して、そしてプール面にも映って無限に広がる光が泳ぐ人を、より深い泳ぎへと誘います。

先が見えるか見えないかという先を、光が妖しくも優しく照らします。

人の動きに合わせてそれぞれのライトは瞬き方を変え、反応してくれます。

その為に、共同研究の機会を頂いたIAMASさんとは本当に貴重な時間でした。

IAMASさんが毎年発行しているANNUAL REPORT どれもが非常に魅力的なプロジェクトの中

POOL JAM EXPOのこのアストロプールは、表紙からの見開き3ページというとても多くのご紹介を頂きました。

正式な冊子またはPDFはIAMASさんのホームページでご覧頂きたいのですが、画像でお届けいたします。


Photo by Junya Nihsigawa、Report by IAMAS

私たちは、おこがましくも水泳の世界をもっと面白くするために寄与していきたいし、それが出来るとも思っています。

POOL JAM EXPO IAMAS REPORT

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