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データ分析と高速水着

推しの高速水着を見つけよう

こんにちは、MIHOROの今村です。

MIHOROでは、9月インターンを受け入れる事になりましたので、その取り組みの内容をご報告させて頂きます。

MIHOROでのインターン希望との旨を直接ご連絡を頂いてから、最初の数回のやり取りで強い思いと広い視点を持った学生さんだったことから、私たちとしてもぜひインターンに来て欲しいと感じ、夏休みを活用した9月の1ヶ月限定ですが、インターンとしてMIHOROに参加して頂く事になりました。

今回来ていただいたのは、日本体育大学の小島駿紀さん(Twitter:@kojishun0203)です。

小島さんは、子供のころから水泳を続けて行く中で、メーカーが開発した様々な水泳用品に興味を持ち、いつか水泳用品の関連する仕事をしたいと思うようになり、大学のスポーツマネジメント学部でスポーツイベントについてなど学ばれていました。様々な予備知識を持った状況だったため、MIHOROでは実践に繋げる経験して頂く事になりました。

私たちの会社MIHOROは岐阜にある事や、このコロナ禍の状況で移動が制限されている事、インターネットの会社であることからオンラインでのインターンです。

普段、私たちMIHOROが大事にしている視線をお伝えしながら、これまでの水泳の知識や好きな事を活かして頂くために、段階的に課題をクリアしていく形式となりました。

今回の大きな課題は下記の3つです。

◆課題1

「スイマーの方の悩みを解決する事で、会社の事業としてMIHOROが出来る事(した方が良い事)を5案以上提案してください。」

◆課題2

その案をそれぞれ因数分解し、それぞれの案に対して「仮説」「現状分析」「行動」「社会的問題点」「誰が幸せになるか」「継続性」この項目を全て埋めて下さい。

※課題2の項目を埋める意図

  • タイトル:メリットを分かりやすく表記(まとめる力、伝える力)
  • 仮説:こういった事をすれば良いのでは?という提案(推定力)
  • 現状分析:現在がどのような状況か。(客観的な視点)
  • 行動:具体的に何をすればよいか(実践への計画性)
  • 社会的問題点:みんなはどんな事に困っているのか。(問題発見力)
  • 誰が幸せになるか:具体的にどんな人か(相手の具体化)
  • 継続性または期待する結果:どれだけ良いアイデアで魅力的なものでも、無理をしては続きません。会社の規模感にあっているか、収益の面でも無理なく実施出来るか。(実現可能性の想定)

これらを提出して頂いた上で最終の課題が下記です。

◆課題3

上記の問題点を元に出てきた案のうち「ひとつでも何とか実現しよう」

課題1と課題2を順調にこなしたのちに相談した結果、本人の得意分野も活かせることから優先度をつけ、インターンの期間中である1カ月で実現できる内容も加味し、ひとつの案を進めていく事になりました。

いくつか出していただいた提案のうち、実現に向けて進めてきたのは下記の企画です。

◆提案(タイトル)
あなたの推し高速水着(レーシング水着)を見つけよう!
◆現状分析・把握
MIHOROが実施している質問箱(pageful)では、「この種目で何秒レベルですが、何の水着が適性でしょうか?」といった種類の質問が多く、高速水着選びに迷っている選手が多い。
(MIHORO談:店舗へは親からの質問の数も非常に多い。)
つまり、その選手の体や個性にあった傾向(情報)が足りない。
◆仮説
国内でもトップクラス選手の使用水着の傾向と種目を洗い出せば、泳法や距離によって適正な水着選びをするためのヒントが見つかる(可能性がある)。
◆行動
日本選手権 2019 を見直し、どの選手が何の水着を着用しているかのデータ収集、種目ごとの傾向などをもとに、分析した結果を情報公開する
◆社会的問題点
高速水着は非常に多様化しており、選手に適応するシリーズやコンセプト、サイズを選ぶことが大事になってきている。その前提があるにもかかわらず、非常に高価な価格帯で、交換もできない。試着会もそこまで浸透していない為、試用をする機会が無い。ここにミスマッチが起こっている。
◆誰が幸せになるか
・地方在住など、試着会などに参加をする機会には恵まれ辛いが、自分の記録を純粋に求めており、自分に合う水着を知りたいと純粋に考えている人。
・水着について相談出来るコーチや先輩などが近くにいなく、何となくで選んで失敗してしまう可能性がある人。
・特定ブランドの高速水着を検討している選手で、別のブランド水着を選ぶのは難しいと感じている人。
◆継続性(収益性)
選択肢が増えすぎてしまうと何を買えばいいか分からず、購入を延期または断念する。
また。選手が本当に必要なものを間違いなく購入できるようにすることで、水泳により没頭できる環境を創る事が出来る。この環境を後押しすることで、水泳専門店として情報発信は広報としての価値を生む。

小島さんには、上記のような内容を提出して頂き、高速水着選びについて深く調べていく事になりました。

この穴埋めはそれぞれご提出して頂いた6案全てに対して書き出して頂きました。

色々なことを想定、想像していないと埋める事は難しい課題だった為、大変だったと思いますが、限られた期間内で問題点を正しく分析してくれました。

以上のような分析から、小島さんによる分析のまとめです。ご覧ください。

◆データから探る高速水着の傾向

(小島駿紀)

データ内容:競泳日本選手権2019の着用傾向

抽出方法:ベスト8に進出した選手が実際にレースで使用した着用水着を録画、または予選(YouTube)から目視で確認する。

目的:ベスト8以上に進出した選手は練習はもちろん、水着選びにおいても相性が良いものを選んでいる可能性が高い。この傾向を分析することで役に立つデータが取れると推測しました。

◆データ全体の傾向

男子総合女子総合

(※GX SONIC4のSTとMRの違いはロゴの色のみで、映像では目視確認が不可能なデータがありました。ただミズノのデータ数が大きい為、全体の傾向を掴むことはできました。)

最初の所感:

このデータを一見すると、ミズノとアリーナが人気という所は当然わかりますが、ここで大事なことはどのブランドが人気かではなく、泳法や距離によってどのような水着が選ばれているのかという所です。

現在の水着は個性に併せて選ぶことが大事だと考えられます。その為、全体数ではなく異常値を重視することにしました。泳法・距離別でそれぞれの平均値を取り、その平均値から比較して乖離した数字を追う事にします。

同じ選手出ている所も当然ありますが、乖離している傾向がある所に色を塗っています。

◆男子総合の傾向

その傾向として分かってきたデータの傾向を下記に簡単にまとめます。

ブランド別にそれぞれの傾向をまずは事実のみ、男子から列挙していきます。

上記のデータをブランド別に見ていきます。

◆ミズノ
  • GX SONIC4のST(硬)と、GX SONIC3のSTはどちらも全体を通して自由形、バタフライの短距離で非常に高い支持を集めました。
  • 中距離ではMRが多くなるものの、STも選択する人が多い傾向がありました。
  • 50m自由形とバタフライに関してはMRよりもSTに極めて高い人気が集まりました。
  • 背泳ぎと平泳ぎに関しては短距離でもMR(柔)を選ぶ傾向があります。
◆アリーナ
  • カーボンエア、エア2、アクアフォースMFでは泳法や距離にかかわらず満遍なく選ばれており、全体的に距離や泳法のバランスが良い。
  • アルティメットアクアフォースCP(硬)が平泳ぎの選手で選ばれており、硬い水着が平泳ぎで選ばれるという非常に珍しい傾向がみられた。
  • エア2は全体的に選ばれる率は高かったが、その中でも400m以上で非常に選ばれやすい傾向がみられた。
◆アシックス
  • 全体的に満遍なく選ばれており、特に自由形の中距離と個人メドレーで高い人気だった。
◆スピード
  • エリート2の後継と言われるヴァラーで背泳ぎと個人メドレーで高い人気の傾向がみられた。
  • エリート2の人気も根強く、満遍なく使われていた。
  • インテントはデータ傾向が少ないが、比較的短距離で選ばれている。

◆ジャケッド

  • 満遍なく選ばれており、日本未発売モデルの着用も確認できた。

次に女子です。

◆女子総合の傾向

まずは簡単に全体の男子との違いをデータから読み解くと、アシックスの人気が顕著にみられます。それに加えて硬い水着と柔らかい水着の違いも顕著に見られました。

◆ミズノ
  • GX SONIC4のMRは非常に高い安定感で、どの距離でも泳法でも選ばれています。その中でも自由形の短距離、中距離、そして平泳ぎとバタフライで高い人気を誇っています。
  • GX SONIC4のSTは自由形とバタフライの短距離で選ばれやすい傾向がありました。足の自由度を求められる平泳ぎでも想像していたより選ばれています。
◆アリーナ
  • 男子同様に、カーボンエア、エア2、アクアフォースMFが非常に選ばれていました。
  • ライトニングのフレックスが男子に比べて人気が高く、根強い人気があります。
  • アクアフォースのCP(硬)はMF(柔)に比べて選ぶ選手は少ない中、バタフライでは違う傾向が出ており、突出して選ばれています。
  • エア2は全体的に良いのに加えて個人メドレーで特に選ばれる傾向にあります。

◆アシックス

  • 男子に比べてasicsを選ぶ選手が非常に多い。
  • ライオグライド(柔)は距離・泳法に関係なく、満遍なく選ばれている。
  • ライオストリーム(硬)は満遍なく選ばれているが、自由形の短距離・中距離で特に選ばれている。

◆スピード

  • 自由形においてインテントの人気が非常に高い(男子は背泳ぎ)
  • 他社では硬い水着より柔らかい水着の方が人気が集まる傾向があるが、スピードでは逆にインテントに高い人気が集まる。

◆ジャケッド

  • 男子と同様に背泳ぎで選ばれやすい傾向
  • J-Katanaの人気も全体的にバランスよく見られる。

ここまでは主に事実だけを並べ、各ブランドの傾向は以上の傾向が確認できました。

◆追加の所感

以上に追加で感じたことを列挙します。

女性のインテントの中長距離と、J-Katanaの女子平泳ぎでの支持は、この泳法と距離で結果を残している人気選手の影響が考えられる。

GX4シリーズが2019で人気だったのは3シリーズの人気から引き続き4への購入者が多かったことや、3よりも動かしやすくなったと謳っていることから人気の継続が出来た。

バタフライ女子のCPの率が高いことも顕著にみられたのが非常に珍しいと感じましたが、説として挙げられるのは、ライトニング時代の支持層が引き続きアリーナを着用している(女子の方が寸法の測る量が多いのでメーカーの移動がしにくい可能性)

それに加えてミズノは硬いのに対して、アリーナはそこまで硬くはない、アシックスは生地感の雰囲気が他メーカーと違う、スピードは高価といった世間的な考え方を置いた上で、

腰やお尻が動きが比較的大きいバタフライでは、多少のサポートが必要だと思う選手はCP、動きが大きいことで動かしやすさを求める人はエアを選んだのでは無いかと考えます。

4のMRは動かしやすくなったという声と、今まで通りのテープのサポート力が良かったのでバタフライでも1番人気だったのでは無いかと考えます。

今回はあくまでも2019年の一度のレースのみから見た傾向と予測ですが、データとしての本来あるべき理想は複数年にわたって追っていくことが大事だとは感じます。

コロナ禍によって、2020年の試合は開催されずデータを取ることはできませんでしたが、今後の皆様の水着選びの参考になれば幸いです。

以上、日本体育大学・小島駿紀のまとめでした。


最後に(MIHOROから)

冒頭にも記しましたように、多くの人が高速水着(レーシング水着)選びに参考になればという想定で、この表は作られました。

レーシング水着を開発する各社は、複数の人員を使ってこれ以上に詳細なデータを収集と蓄積し傾向を調査していると思います。そんな中で、今回たった1人でこれだけのデータを集め、しっかりと分析して頂いた事はかなりの根気と集中力の継続が無いと出来ない事です。

オンラインでのインターンで、私たちMIHOROも不慣れで方向を付ける事が難しかった中、小島さんには非常に精力的にご提案を頂き、活動をして頂きました。

現在大学生3年生ということでこれから水泳関連の企業に就職活動をされる予定と聞いております。競泳ブランド並びに競泳向けプロダクトを開発している企業の方々に、自信を持って小島さんをお勧めいたします。

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