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平成を賑わせた水着・消えた高速水着レーザー・レーサーの変遷

こんにちはSWIMSTATIONの今村です。

2020年には東京でオリンピックが開催されますが、この開催前になるとこのサイトにお越しいただくキーワードがあります。

  • 「レーザー・レーサー」
  • 「高速水着」
  • 「スピード社」
  • 「レーザレーサー 禁止 理由」

そう、高速水着が世間を騒がせた時代は2008年の北京オリンピック前後です。10年以上が経過しているにもかかわらず、世間の記憶は色濃く残っているのだと感じさせられます。

競泳の世界にずっといた人は高速水着がどんな経緯を辿っていったのかをご存知かと思いますが、世間は「いつの間にか消えた高速水着」、「レーザーレーサーはなぜ禁止になったのか。」そんな認識が多いようです。

過去のログを編集して、この話題を説明していきます。

高速水着の話題を説明するのには、高速水着がなかった時代からご案内していきます。

0.高速水着時代の前

競泳水着を開発する各社は撥水加工、体へのフィット感、効果的な水着の切替によって、競泳水着の開発競争が行われていました。

この当時人気だった水着
arena エールブルー(カワセミ)
speedo アクアブレード(サメ肌)
asics ※すみません、名前忘れました

写真はエールブルー(通称カワセミ水着)

比較的派手目な発色が印象的で、足首まであるものも人気が高かったのです。

この頃はまだ男性のハイレッグタイプの水着を大会で見ることがありました。

この頃契約の切り替えなどの件で、speedoブランドの移行もありました。

2007年ごろを境に、speedoブランドの日本販売をゴールドウィンが手掛け、今までspeedoブランドを日本で手掛けていたミズノは自社ブランドで競泳業界に参入しました。

◆ 2007年後半から

高速水着の登場と隆盛(レーザーレーサー、バイオラバー)

2007年。北京オリンピックに向けて開発され、突如として登場したspeedoのLZR Racer(レーザー・レーサー)

LZR Pulseと名付けられたパネルのようなナイロン素材をレーザーで圧着してつなぎ合わせたものだった。

NASAなどの協力を得て作られたこの水着は、素材も、つなぎ合わせる技術も前例がなく、言葉通りの規格外

  • 着用によって、体の体積が極限まで締め付けられる
  • パネルによって筋肉の振動などを抑える
  • レーザー圧着され、極限まで凹凸を削った表面
  • 以上の機能によって整えられた姿勢

0.01を削るために競われているF-1の世界に例える人も多く、まさに最高峰の水着。

そのあまりの着用の大変さも有名で、男性は着用するだけで30分、女性ともなると1時間とも2時間ともかかるほどだった。

だが、その異質とも言えるほどの性能の高さによって、レーザーレーサーの着用選手が次々と世界新記録を打ち出していく。

その状況を見ながらも、日本では契約の関係で日本選手は当初レーザー・レーサーを着用できないという問題が立ちはだかりました。

紆余曲折がありながらも、日本選手を含む多くの選手がこのレーザーレーサーを着用して大舞台である北京オリンピックに出場しました。

その結果、この北京オリンピックでは世界記録をはじめとする各種新記録が量産された。

その世界新記録やメダル取得者の大半がレーザー・レーサー着用という衝撃はまた世界を驚かせた。

メディアではレーザー・レーサーのことを高速水着(商標の関係で使えなかったため)と名付けられた。

その驚きは覚めることなく、各メディアがこの水着やspeedo効果もあって、試算によるとレーザーレーサーによる宣伝効果は2000億とも言われた。

その関連商品である競泳水着FS PROも品薄になり、初心者向け、フィットネス水着に至るまで人気が高まった。

そのspeedoの高速水着の実力の差は結果を見ても分かる通り歴然とした差があり、そのあまりにも圧倒的な力の差を埋めるために、競泳水着の各社は日本の山本化学のバイオラバーを素材として作られた水着を続々と開発し、非常に性能の高い水着を生み出していき、この水着も合わせて高速水着と呼ばれた。

レーザーレーサーの登場によって水着は急激な進化をし、記録は飛躍的に伸びた。だが、行き過ぎた開発競争に繋がってしまう。

「この水着を持っていないと負ける」という事が現実問題として起き、本来であれば、水泳大会は選手自身の力に注目されるべきにもかかわらず、水着にばかり注目が集まってしまい、スポーツの意義が問われる事態になっていったのです。

そこで再度、選手に目を向ける為に、高速水着は規制(事実的な禁止)という手が取られる。
(※基礎ルールは2010年4月から制定されたが、とても高価な水着がすぐに使えなくなるのは問題だという指摘があり、ルールの猶予期間が設けられたのだが、その猶予期間は世界で統一されることがなかった。
結果として、出したはずの大記録や着順が承認されず、消えてしまうなどの問題が発生した)

このレーザー・レーサーの活躍によって、飛躍したのはspeedoをこの時期から展開し始めたゴールドウィン、そして一番割りを食ってしまったのが自社ブランドで展開を始めたミズノだった。

この当時(レースで)人気だった水着

  • speedo LZR Racer
  • mizuno SST-100(一般販売なし・選手のみ)
  • arena アクアフォースゼロ(一般販売なし・選手のみ)
  • Jaked Jaked01(日本販売なし)
  • その他のバイオラバーシリーズ(KOZ、ブルーセブンティ、YAMAHOなど)


◆2010年4月から

ルールが厳格化され、レースに出場する為には、FINAが認めた水着(FINA承認マーク付き)が必須になる。 
細かく定められたルール改定によって、高速水着時代は終わりと言われ、その高速水着という名前も表舞台から姿を消しました。
ただ、レーザーレーサーの名残もあり、ルールが改定された後も、締め付けが非常に強いものが選手の間では主流でした。

この時期のルールの一部

  • 男性はへその下から膝まで(当時は肩から足首まで認可されていた)
  • 女性は肩から膝まで(足首までのものは基本的に禁止された)
  • 重ね着禁止
  • テーピング禁止
  • 素材の厚さを0.8mm以内(ラバー水着はとても分厚かった)
  • 浮力を0.5ニュートン以下(高速水着は着用するだけで浮いていた。)

これだけ見てもどんな変化というのが伝わりにくいところだが、高速水着時代に培ったノウハウをリセットするのにも近いルール変更でした。

これによって、各社の水着開発競争はそれぞれの道を求めていくことになります。

国内選手の主流水着(2011年夏の大会)

  • speedo LZR Racer ELITE
  • arena アクアフォース1
  • arena パワースキンレボプラス(海外品)
  • mizuno GX

◆2012年~2013年ごろ

レーザー・レーサーの衝撃がまだ強く残る頃、多くの競泳選手は少しでも体を圧迫するための水着を求め、ワンサイズでも小さい水着を着用していた。

硬すぎる水着が主流だった時代から、徐々に柔らかい水着が徐々に主流になり始める。

LZR Racer ELITEや、asicsのTOPINPACTLINEなどといった柔らかめの水着が人気を誇る。

一時期日本国内ではアシックスのTOP INPACTLINEは着用率60%を超えていたと言われたほど。

◆2014年から2019年まで

FINAの規定が少し変更、インナーの条件などが緩和され(2016年)、それぞれの個性が明確に出始める。

この後は、各社が開発競争を続けており、それぞれのメーカーが提唱する(早くなるための)理論を元に選手と共に開発を本格的に開始しています。

  • ミズノはフラットスイムの理論でGXシリーズ開発がスタート
  • アリーナはアップキックサポートでインフィニティシリーズの開発が進む
  • アシックスは体幹の保持でTOPINPACTLINEの開発が進む
  • スピードは水面に対する体積抵抗の低減を続けており、LZR Racerシリーズの開発が進む

この競争によって、2008年のあの衝撃で割りを一番食ってしまったミズノのGX SONICシリーズが飛躍的に人気を高めていく

国内のみならず、海外でも有名選手が着用し、非常に高い人気を誇る。

その人気の移り変わりは非常に激しく、アシックス 一辺倒だった時代が一気に変わり、ミズノを着用する選手が60%を超えていたとも言われています。(2018年でも50%ぐらいを維持)

◆2019年~

次のオリンピックに向けて各社が開発競争を続け、それぞれのコンセプトに合わせた最終モデルともいえる完成形を創り上げてきました。

そんな中でも、speedoは今一度サメ肌というコンセプトに立ち返ったのは印象的でした。

一度は落ち着き、そして選手と向き合った水着が次々と開発されるようになった昨今

2020年の東京の後はどうなるのでしょうか。

今から気になる所です。

平成を賑わせた水着・消えた高速水着レーザー・レーサーの変遷」に2件のコメントがあります

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